トホホ登山(^-^o)


カメラが好き

                                       by:富嶽仙人

T90最後の冬
 痛恨の一撃 三ッ峠、夜明のバックドロップ

 CANON T90は私にとってまさに愛機と呼ぶに相応しい一台でした。
 
 T90はウェブマスターのmasahiさんも愛したCANONのMFシリーズ最後の名機です。
その操作体系、デザインは今のEOSシリーズに色濃く受け継がれているほど優れたものです。
中でも私が一番気に入っていたのはマルチスポット測光。
今でこそ高級機のいくつかがこの機能を備えていますが、当時この機能をもつカメラはオリンパスもOMー3、4兄弟しかありませんでした。
私はT90での露出決定にはほとんどこのマルチスポット測光を使っていました。
このことが後に大判を撮り始めたときに大いに役立ちました。
そういう意味でもT90は私にとって大きな価値と意味を持ったカメラなのです。
 10年以上メインのカメラとして使ってきたT90。
それも半端な使い方ではありません。
フィールドでの使用は沢山のキズをボディーに残し、度重なる修理を受けてきました。
ボディーには私のホールディングの跡がしっかりとついています。
しかし、いかなるものにも最後の時は訪れるのです。
 
1999年冬
 烈風の三つ峠、私はシノゴとT-90を並べて立てて夜明けの撮影に挑んでいました。
シノゴ・・大判カメラは操作に手間がかかります。ですからどうしてもT-90のほうはお留守がち。
そのときT90に使っていた三脚はマンフロットの#190.小型軽量の三脚でした。
勘の良い方はもうお分かりですよね。
一陣の風と共にT90を載せたマンフロット#190は緩やかにのけぞって、凍てつく大地に鮮やかなバックドロップを決めたのです。
 
 ガーン!!  T90は後頭部と背中を痛打、
カウント、ワン、ツゥ、スリー、カンカンカン・・ 。
 
 あたふたと駆け寄るアタクシ、抱き起こしてみると・・・
ああ、不自然にゆがんだその姿が目に飛び込んできました
恐ろしくも致命的なダメージは、後頭部でも背中でもなく下半身にあったのです。
 
 長年の酷使に耐えてきたプラスチックボディ、そしてなにより低温環境で脆くなっていたということもあるのでしょう。
T90の下部にある炭酸乾電池4本を収納するバッテリーボックス…これを貫通する形で三脚座がついているのですが・・
こいつがものの見事に砕け散っていたのです。
砕け散ったという表現は大げさではありません。本当にばらばらになったのです。
 
 コロンビアもびっくり!!・・ってまだそのときは落ちてねぇよ(^^;;・・・
もちろん即死だと、そう思いました。なんてったってバラバラなんですから。
 
しかしアタクシも未練がましい・・・
砕け散った破片と電池を拾い集めて暖めあおう、襟裳の春はぁ〜♪じゃなくて、それらを集めて手で抑えながら電池を接点に接触させてみると…
あらいやよ!!動くがね!!
おれっちは驚いたわ
・・・って文体が違うわ。
 
 プラスチックボディーを舐めちゃいけません。
崩壊しても動くのです。
しかし流石にきちんと修理して…という気にはならない姿です。
そこで接着剤で自家修理。細かく砕けて抜けてしまったところは樹脂で埋めました・・
やったぁこれで復活です。動作も問題ありません。
悪夢のバックドロップから蘇ったT90、不死身のT90。
人生七転び八起き。。
 
 しかし、ダメージは深く静かに浸透していたようです。
 
 一ヶ月ほど経ったある日、雪の丹沢で突然の不調。電池の抜き差しで何度か息を吹き返したものの危篤状態は続き…
帰宅後数度のレリーズ動作をしたものの、ついに静かに息を引き取ったのであります…
 
さらば愛しのT90、ありがとうT90。また来週・・・って続くのかよ。
 


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