トホホカメラ
===トホホなカメラ遍歴〜物欲のままにPART1===
■Introduction
何から話せば良いだろうか・・・
まずはEOS55を買うに至るまでを簡単に話そうと思う。
社会人2年目後半、私は山梨県に転勤した。
そこからは、毎朝、毎夕きれいな富士山が目の前に見えた。
そして、八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳も高々と、そして手が届くかのような距離に見え、風景には非常に恵まれた環境であった。
ある日の帰宅途中、さらに衝撃的な現場に遭遇した。
帰り道を車で走行中、それまでいつもの通りに見えていた富士山が、徐々に朱色に染まり、最後は真っ赤に燃えていたのである。
非常に幻想的なシーンを目の前にした私は、「これを撮影しない手はない」と思い立ち、早速カメラの購入を決意した。
さて、初めて買うカメラは何にしよう・・・
いざ調べてみるとカメラってたくさんあるものだ。
最低限、イメージ通りの撮影が出来るよう、一眼レフを買いたいという気持ちはあった。
カメラ屋に行ってはカタログを集め、しばらくはそんな日々が続いた。カメラ技術の最先端を進んでいるのは、Canonか・・・という結論が見えてきた。
当時、Canonの「image stabilizer」(レンズにジャイロ機構を設けて画像を安定させる)を実用化したレンズは非常に注目を集めていた。
また、USMモーターが用いられたCanonレンズのAF速度、精度は業界一であった。工学系の私は、こういう、技術的に優れているという謳い文句を見てしまうと、心くすぐられてしまうのである。
初心者向け・・・というカメラとしては、EOS55とEF28-105/3.5-4.5がラインナップとして設けられていた。
私はこのカメラを買うことに決めた!
■NIFTYな人々
さて、EOS55を買って富士山や上高地などを撮影するようになり、当初は特別不満な事など無かった私が、どうしてここまで機材にハマってしまったのか・・・それは、とある場所でカメラの世界をよりDEEPに知ってしまったからであろうか・・・
私は学生の頃からNIFTY-Serve(現@NIFTY)の会員であった。いろいろなフォーラムに顔を出していた。
写真のフォーラムもその一つであった。
そして私がカメラを買い、いろいろとその道の人達と話をしているウチに、「オフ」をやろうという話になった。そして行われた撮影会オフ・・・
今思えば、ここで出会った人達は誰一人として例外なく「非凡人」であった。
ここで出会った人達の機材は凄かった。
誰一人として入門セットで撮影している人はいない。
皆、プロ仕様の機材で撮影をしているのである。そして私はその性能と迫力を、ここで目の当たりにしてしまった。
高級機のファインダーは腰を抜かす程鮮明で、グリップも握りやすく、撮影音も心地よい。誰が撮影した写真を後で拝見しても、私のEF28-105/3.5-4.5で撮影した写真とは違う・・・このあたりは素人の私にですら一目瞭然であった。
「おおおぉ、しゃ、シャープだ・・・」
「背景のボケが素晴らしいぃぃぃ」
「色と階調の再現が見事だ・・・」
「何て高解像なんだ・・・」
私の「写真を見る基準」は、どこかで狂っていった。
いつの間にか、私も皆の様に高品質な写真を撮りたい、プリントしたい・・・と思うようになっていた。
そしてそれが当たり前だとも思っていた。まず、レンズが重要だ・・・
そう考え初めてから数ヶ月、気がつくと大口径なレンズが数本、手元にあった。購入に至るまでは早かった。
即決だった。買うときには、
「必要なんだ・・・必要なんだ・・・必要なんだ!!!」
と言い聞かせてもいた(爆)
本当にこの高級レンズ達でないと富士山は撮影できないのか?
ポートレートやスナップは撮れないのか?
と、心の門を叩く音が聞こえてきたが、国の経済復興委員会親衛隊(別名:物欲処理特殊部隊)に堅くその門は守られていた。
さて、レンズが揃うと、今度はボディに不満が出てくるものである。
まずレンズが重くなると、撮影中EOS55が軽くて使いにくい。また、サクサク次の撮影に移れない、視野率が100%欲しい、など理由はさまざまであった。
EOS55には、重大な欠点がひとつあった。
それはバッテリーの接触不良である。つまりそれは撮影中に突然カメラそのものが作動しなくなるという致命的なものであった。
2度ほどその経験をしてしまった私は、いつしかEOS55への愛着が薄れていた。
そして私は、EOS−1Nの購入へ踏み切った。
■秘密の呪文
EOS−1Nを買うのには非常に勇気が必要であった。
何せ単体での価格が高い。
もともとプロ用の機材なので、おいそれと簡単に買える金額ではない。でも、EOS−1Nの鮮明なファインダーを覗いてしまったあの日から、欲しくて欲しくてたまらない。
何度も店に足を運んだ。
ショーウインドウの前でガラス一枚を隔ててEOS−1Nと私が数時間と対峙する日々が続いた・・・
とある日、店のカウンターの上に何やら文字が書かれたチラシが貼られていた。
そして、目にその文字が飛び込んできた次の瞬間、クラクラっと腰が砕けた。
なんとそこには、まだハリーポッターも会得していないといわれている秘密の呪文が記されていた。
なんと恐ろしい呪文だろう・・・(爆)
秘密の呪文を知ったその日から、私の人生は大きく崩れ始めた。
さっそく、「EOS−1NHSを下さい」と注文した。
昨日までは1Nを買おうと思っていたのに、今日は1NHSである。
我ながら大きく出たものだ。
何せ私は、秘密の呪文を会得してしまったのであるから怖いモノなど何もない、という気持ちにさえなっていた。レジには豪華な箱に入ったカメラが用意された。
そしていよいよ私は、あの秘密の呪文を唱えたのである。
「・・・冬ボー一括でお願いします!」
元気よく呪文を発した。
そして私は見事にEOS-1NHSを手に入れることが出来た。
秘密の呪文、いや、悪魔の呪文を会得したその日から、悪の道に自ら足を踏み入れていった事は言うまでもない。
そして、この後、さらなる惨劇の嵐が私を待ち受けているのであった。
つづく・・・かも?
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