結局要らなかった大口径ズーム
今、時代は猫も杓子も大口径ズームレンズ。アマチュアでも28-70mmF2.8、70-200mmF2.8なんて凄いレンズを持っている人は珍しくありません。
けれども20年前は、そんなレンズは存在すらしていなかった…いやもしかしたら存在していたのかもしませんが、私の目に届くようなところにはなかった・・そんな時代でした。
日本中がバブルにまみれていた1980年代末。
一時期僕は写真をやめていました。90年代半ばになって写真活動を再開したとき、世の中が大口径ズーム時代になっていることを初めて知って驚きました。
ちょうどその時期は35mm一眼レフが、MF機主体からAF機主体に変るという過渡期でもありました。
その頃の私の35mmカメラは時代遅れのマニュアルフォーカス、メインがCANON T-90、サブがF-1。
しかし、写真活動の再開とほぼ同時に「大判フィールドテクニカルカメラ使い」となったため、35mmはもうこのままでよかろうという思いがありました。
撮影した写真は、引き伸ばして知り合いのお店に引き伸ばした写真を飾ったりする用途にしておりましたので、35mmでは役不足になっていたのです。
そこに訪れたのがデジタルの波。
デジタル化してPCに取り込み、通信でやり取りし、主にモニターで鑑賞するというそういう画像の使い方。
こうなるとフイルムフォーマットが大判である必然性は無く、35mmカメラで十分なんですね。
そんなことで、一旦ラージフォーマットへ重心を移したものの僕は再び35mmの世界に戻ってきてしまったのです。
そのとき周りを眺めてみたら、世の中はアマチュアの方も十数万円もする大口径ズームを使うような時代になっていたというわけ。
大口径ズーム時代の到来を待たずにEOSシリーズにバトンタッチしてしまったキヤノンのMFカメラ用のレンズ、いわゆるFDシリーズには大口径ズームというものは存在していません。
僕としても必要のないレンズだったので、特に欲しいと思うことはありませんでした。
そんな折、使用頻度の高かったFD24mmF2.8にトラブル。バルサム剥がれです。
これは撮影に支障があるというほどのものではないのですが、結構気持ちの悪いものです。修理に出しても部品無しということで清掃だけして戻ってきただけ。
中古で買いなおすほどでもないなぁと思って、シグマの28mmF1.8を買ってしばらくは代用にしていました。しかし24mmを常用していた私にとって、24mmレンズが完調ではないということは、ずっと心に引っ掛かっていたのです。
僕が一番よく行く、中古カメラ屋…富士市の「かねざし」。ぶらっと入ったらトキナーの80〜200mmF2.8が机の上に転がっているではありませんか。
このレンズこそまさに大口径ズームのハシリといっても良いレンズ。うーむ、要らないと思っていながら心は動きます。
このお店は値札は一切つけていません。だから聞くしかない。
「いくら?」
「3万円だけど買わない?」
でも、流石に必要の無いレンズに3万円も払えません。
F2.8の思い出・・・昔々のあの悪夢がよみがえります。一度もボディに装着することなく
NewFD200mmF2.8のこと・・・・あのレンズが手元にあれば、大口径ズーム如きに心動かされる事はなかったのに・・・
「これもつけとくよ…ちょっと痛んでいるけれど、キャップもないんだけどいいかな。使う?」と目の前に出されたのが24〜40mmF2.8。痛んでいるというのはレンズの隅のバルサム剥がれで、それほどひどいものではありません。
「にじゅうよんみりじゃん」
「直してまで売るほどのものじゃないからさぁ、80-200mm買ってくれたら持っていっていいよ」
「あ…ああ…買います。
運がいいのか悪いのか…なにも買う気なく入った中古カメラ屋から出てくるときには手に大口径ズームが2本(^^;;;
しかし使い始めてみるとバルサム剥がれはどうにも気になる。
結局修理…1万円(くらい)タダより高いものはなかった・・かもしれない。
そして、この24-40mmを広角レンズのメインとして使い始めたのですが・・・・
残念ながら色があまりよくありません。
色というのは好みだから良くないというのは適当でなく、僕は好きでないといったほうが良いのでしょうね。
夜明け前の皿の色、黄葉の色…みんな好きじゃな〜い。
おまけにある日三つ峠でレンズ交換中、不用意に落下。マウント側がドロだらけ。
まあいいやで簡単にふき取ってそのときはそのまま。
あとで調べたら後玉に激しくキズがついていました(T_T)。
修理に出したばかりなのに…。
一方の80-200mmのほうも色はもう一つ。
もともと望遠ズームは80-200F4Lを使っており、それなりに満足していたので、F4より明るいレンズが要るシチュエーションじゃないとF2.8は必要じゃない。
AT-Xは明るさ以外は80-200G4Lより全部劣るので、結局は使わなくなってしまいました。
やっぱり必要じゃなかったんですね。
しばらくしてメインをEOSにチェンジ。
いまの35mmのメインはEOS+EFレンズですが、EFでもF2.8の望遠ズームは使っていません。
そう、この一件があって賢くなりました…私の撮影範囲においてはF4で必要十分だということを知ったのです。
それからしばらく経ち。
久しぶりに80-200mmF2.8を眺めると…あ〜らあなたもバルサム剥がれ(^^;;;
この時代のTokinaはこんなんなんでしょうかねぇ。
使わないレンズを直す気は無く、下取りに出そうと思っても、古くてしかも痛んだレンズなど査定なしだから我が家に保管しておくしかない…ということで今もひっそりと眠っています。
24-40mmの後玉のキズはどうやら画質に与える影響はなさそう(と思っているだけ)で、今もそのまま使っています。
ただし色は相変わらず気に入らないのでF-1とのセットでモノクロ専用と化してます。
オレンジフィルターつけっぱなし(^^;;
スナップ用としてはちと重すぎ、しかも画角、ピントあわせにも時間がかかりすぎでいまいちでなのはありますが、使用頻度は少ないのでまあいいかと妥協。
教訓
いくら安いといっても使わないレンズは買うべきではありません
…と反省はしていますが改めてはいないのが情けない。
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