トホホ登山

                                       by:マサヒ

人助けは誰のため??? (^-^o)

 美濃の山はアルプスのように登山者が多くないから、ひっそりした山旅が楽しめるけど・・・
でも事故には気をつけてね。
もしも事故って動けなくなったら、平日なら人に会う機会が少ないから遭難の可能性が非常に大きくなるわ。
 
美濃の山は標高はそれほど高くないけど、登山道の整備やら人の少なさがあるから単独は避けたほうが良いと思うんよ。
何年か前に蕎麦粒山で、子連れの夫婦で奥さんが捻挫して動けなくなった時に、旦那さんは奥さんに焚き火を焚いて、子供を連れて下山し警察にすぐ遭難の知らせをした。
奥さんは一日山でビバークして無事あくる日救助されたわ。 
この夫婦は山のベテランだったから見事な行動が取れたと思うよ。事実、美濃のG新聞でも誉めてたわ。
 
蕎麦粒山はオレッチの好きな山だけど、かなり難儀な山なんだわ。
取り付けも長いし危険な所もある。
山頂付近は石楠花の根が地肌に現れて歩くのも難儀なんだわ。
美濃の山は藪山や登山道が整備されて無い山が多いから初めての人は気をつけたほうが良いわ。
でも中高年の登山ブームで今回トホホに書く人は大阪から車で夜走ってきて遭難しかけたんだわ。
 
能郷白山は美濃の能郷と言う所から入るんよ。
登山の受付は能郷神社の横の公衆電話に登山届けがあるから各自で書き込むんだけど、多分何の役目にもならないと思うよ(^-^o) 
能郷は地元の人が行う狂言が有名なんよ。毎年4月に行われてる。
これは幽玄の世界を味わえるよ。古くからの伝統芸能がこんな山奥に残ってるなんて!!! 
それと此処からは行き止まりのような所なんだわ。
能郷の手前には根尾があり此処の淡墨桜も由緒がある。なぜこんな山奥に文化が残ってるんだろうね。
 話が山の話から離れだしたね(^-^o)
 
真夏に能郷白山に登ったときの事だわ。
日曜だったけど登山者はオレッチが登りだして降りるまでに出会った人は10人もいなかった。
ブナの急登を登るんだわ。
嫌になるくらいのダラダラ坂が続き日陰が無い登山道なんよ。
水場も登山口の川しかないから水もたっぷり持ってかないと、水切れなんて事になって苦しい思いをするからね。登山口から頂上まではたっぷり3時間はかかるからね。
 
オレッチはその時の登山はかなりばててたんだわ。
なんせ真夏の暑さと日陰の無さと1リットルの水が下山途中で切れて、早く登山口の川まで降りて水を飲みたいとそればかり考えてたんだわ。
途中、爺さんとやけに元気がいいオッサンと抜いたけど水を求めて早く歩いただけの事なんよ(-_-;
川の音が聞こえてオレッチの足は元気が戻ってきたわ。
ブナの木も日陰があるようになってきて何とか登山口まで降りて、川の水をガブガブと飲んだわ。冷たく綺麗な水でとっても美味しかった。
元気の良いオッサンも降りてきて川で体を洗って水を飲んでたわ。
本当に何度登っても能郷白山は辛い山なんよ。頂上でガスって方向が判らなくなり藪漕ぎしたりね(-_-;
 
オレッチとオッサンが帰り支度をしてる時に・・・・・・・
「おーい!!! おーい!!!」って悲鳴の様な声がしたわ。
オレッチもオッサンもその声が誰かすぐ分かったわ。
オレッチもオッサンも抜いてきた一人のお爺さんだわ。オッサンもオレッチも無視してたんよ。
なんも関係ないし訳が分からなかったから。
でも、あまりに何度も叫び続けるからオレッチとオッサンで川を渡って少し登ったら、お爺さんが登山道の最後の階段の下で座り込んでたんよ。
 ?????だわ。何のことかオレッチもオッサンも分からなかったわ。
お爺さんに「どうされましたか????」って聞いたら・・・・・・・・
「あら、そんな事があるの!!!!!??????」
なんと最後の階段で踏み外して捻挫か骨折かだったわ(^-^o)
お爺さんは冷汗を流してたわ。全然立てなかった。オレッチとオッサンで爺さんを抱えて川を渡って登山道の入り口まで連れて来たわ。
そのお爺さんは大阪から車で来て、車内で仮眠を取って登山してたんだって。とっても運転なんて無理だわ。だいち、このままほかって置いたら爺さん遭難だわ。 
オッサンはカブで来てたからとっても爺さんを乗せる事は無理だわ。
オレッチの車に乗せて警察か消防署に連れてくしかないんよ。
オッサンは・・・
「じゃ!!あんちゃん頼んだわ!!!」ってカブで行っちゃった(-_-; 
オレッチは仕方なく爺さんの着替えの服や大事なものを爺さんの車から出して、車は邪魔にならない所に置いて、爺さんをオレッチの車に乗せて登山道を後にしたわ。
能郷の村で警察は無いかと聞いたら根尾の村まで無いと言うんよ。
登山道から根尾の村までかなりかかるんよ。
オレッチは仕方ないから自販機で冷たいお茶を買って、爺さんに飲ませて車を出したわ。
爺さんかなり汗をかいてたからね。親切なオレッチだわ。   
 
根尾の消防署に入って、オレッチは事の説明をしたわ。オレッチの住所と名前を書いてきたわ。
「これはひょっとすると人命救助で表彰!!!!」(^-^o)
「爺さんをどこの病院まで連れてかれるのですか????」オレッチ聞いたのよ。
「美濃のK病院です。そこしか近くに無いですから」
えっ!!!! K病院はオレッチの家から歩いて3分だがね。そんな所まで救急病院が無いとは過疎の酷い地帯だわ(^-^o) 
オレッチ、その時に頭に人命救助で表彰がいっぱいになってたんよ(^-^o)
「K病院は僕の家の近くですから、僕が僕の車で運びましょうか?????」
「有難いですけど救急患者はこちらで運びます」
オレッチは爺さんの車の事や大まかな話をして消防署を出たわ。爺さんは救急車で運ばれて行ったわ。オレッチの家のすぐ近くにね(^-^o)
オレッチそれから待ったよ(^-^o) 警察か新聞社か爺さんの家族からの電話を!!!!
なんせ救助して、缶のお茶もオレッチの自腹で買って、根尾の消防署まで運んで来たのだから。間違いなく人命救助で表彰されるに違いない。
 
何の連絡も無かったわ。待てど暮らせど・・・・・・ 何日たっても・・・・・・・・・・・・・・・ (-_-;
新聞に遭難の事も書かれてなかったわ (-_-;
 
爺!!!馬鹿野郎!!!!! お前助けられたんだろう。オレッチの名前なら根尾の消防署に控えてあるわ。なんでオレッチを探さないんだ(`_´o)
缶のお茶代と根尾までのガソリン代を返せ!!!!!(`_´o)  
 
教訓!!!! 人の少ない山は高さで舐めてはいけないよ。
人に助けられたら恩は返しましょう。舌切り雀になっちゃうよ(^-^o)
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