トホホ登山

                                       by:フラワー・カモリン

命に関わるもん盗むなよな〜。(>_<)

  それは、5月の連休の事だった。コースは、毎年続けている燕岳〜蝶ケ岳のコースだった。
この年、燕岳は雪の少ない年だった。
 
pm2:30頃燕山荘についたわしは、さっそく、ナップザックに入れた大型カメラ、ハスキー、たしかピッケルも持ち出して、一応アイゼンも持ち出して、燕岳に向おうとした。このとき、この雪の少なさでは、アイゼンは置いていってもいいだろうと小屋の外のベンチとテーブルの下に置いた。テーブルの下というのは、一応目立たないつもりのところだ。
なぜ、そう考えたのか、まあ〜いちおう、適当なところに置いておくにしても捨てたように、置くんじゃなくて、多少人目につかないところに置いたほうがいいかもしれん、という事で、テーブルの下に置いたのであるが、このときすでに本能的に、ある予感がしていたのだろう。
 
そして、燕岳を登り、下山途中も大型カメラをつかって写真を撮る事は出来た。そもそもこんなカメラを使うと荷物も煩わしい。アイゼンはつけっぱなしならともかくも、雪がない岩の露出したところでは付けたままでは、もちろん危険。そこでアイゼンをはずす事になるが、そうなると、ハスキー、ピッケル、背中のナップザックに入れた大型カメラとで、どうにも外したアイゼンを持つのが邪魔になるんだわ。と言う事で、持っていかなくて済むもんなら、そこに置いておくという事で置いていったのであるが--------
 
燕岳まで歩いてから、また、そっこから戻る途中もなんとな〜〜く、不吉でいやな予感は確かにあった。いつものいやな予感とは違うのである。やっぱりそういう事っていうのは確かにあるんだろう。だったら、もっと最初から気をつけろよな〜という事になるのであるが。まっ、そこが、人間の愚かさというものだ。
小屋の近くのベンチと、テーブルの前に戻ってきた。気がかりだった、そのいやな予感は--------まさしく、的中してしまった。なっ、なっ、なっ、アイゼンがその場所にない。(>_<)こつ然と消え失せたといってもいい。ショ〜ク!!!!!(>_<)
 
まっ、まさか!!!!! こっ、これって盗まれたという事か??????? もちろん、小屋の方にもアイゼンの届け出はなかったかと聞いた。無駄であった。この場合、リンホフテヒニカや、ハッセルブラッド、ライカを盗まれるより始末が悪いのではないか。なんといっても人の命に関わってくるものである。山屋にこんな命に関わるもんを盗む奴が存在する事じたいショックであった。
 
とはいうものの、元はといえば、小屋の外のテーブルの下に安易にアイゼンを置いたわしが、悪かったのであるが、せめて小屋の中の玄関に置いておくべきだったろう。小屋の方には「この雪なら、アイゼンなしでも縦走は大丈夫ですよ」と言われたが、わしの実力では危なっかしくてもちろん、蝶ケ岳の縦走は断念。(>_<)  そのまま下山はつまらないので、燕岳は3泊し、後は下山して、温泉旅館に泊まった。
 
山屋のモラルも落ちたもんだぜ。命に関わるもん盗むなよな〜。(>_<) 


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