トホホ登山

                                       by:雨飾

初山スキー、いきなりクレバスにはまる(^^;)

 もう10年以上前だがスキーに狂っていた時期があった。
ほとんど毎週スキー三昧と言う今では考えられない様な生活(^^;) 
当然の成り行きとしてスキー場が閉まった後も雪を求めて標高の高い山へ向かう。
その頃いつも一緒にゲレンデスキーに行っていた友人を(そそのかして?)乗鞍へ山スキーへ誘った。
他の仲間も誘ったが山と言うことで誰も来なかった(T_T) 
この時一緒に行った友人はスキーは好きだが山には全く興味はない様な人間(爆) 
そんな人間を5月の乗鞍に誘うと言うのだから無謀だ。それぞれザックを背負ってスキー板をその横に括り付けて乗鞍高原から登り出す。
途中で疲れただのあ〜だこ〜だ言う友人をなだめすかしてやっと山頂に到着。
今まで疲れたなどと言っていた友人はいざ滑り出すとなると途端に元気になる。
私が先に斜面へ飛び出す。
友人も後から付いてくる。滑り出し5分ほどでクレバスが現れる。
幅は50cm位だったので私は亀裂に対して直角に進んで超える。
振り向いて友人に注意を促そうとしたが間に合わず。
彼女は驚いて横を向いてしまい、亀裂に吸い込まれる様に胸の辺りまで落ち込んでしまった!
咄嗟に両腕を広げたので底まで落ちなくて済んだが危ない所だった(*_*)
 

 
クレバスの底は暗くなっていて全く見えない。
積雪量から言って10m以上はあるんではないか・・・
友人の体を引き上げて愕然とする。板が片方下に落ちている(-_-) 
割れ目の途中上から3m位の所に引っかかっているのだ。
うーん困った。
この時間から歩いて下まで下りると完全に日が暮れてしまうし、ビバークの準備もしてなかったのだ。
私が腕組みしていて考えていると友人がクレバスの下に下りていって板を取って来るなどと言い出す。
おいおい(^^;)
そんな事して間違って底まで落ちちゃったら死んでしまうがな・・・って言うかどうやって下りるんじゃい(^^;) 
一か八か持っていたストックを二本つないで下にあるスキー板を引き上げてみようとした。
上手く引っかからなくてどんどんずり落ちって言ってしまって気をもむが幸い友人のスキー板は使い倒されていてバリが多かった(^^;)
 
 
これにストックの紐が引っかかってくれて板を引き上げる事が出来たのだった。
引き上げた瞬間、万歳〜と大騒ぎしてしまった。
他の登山者には何やってんだ?と呆れられるし・・・(爆) 
記念にクレバスの横で写真を撮ったが顔が引きつっている(爆) 
よほど怖かったのであろう。 
この後はあっけない位に早く、30分も滑れば麓に着いてしまった。登り3時間下り35分(^^;) 
今だから笑って話せる遭難寸前の危なっかしい話である。
若気の至り。 
こんな事してて親が泣くな〜とボソっと言った友人の言葉がグサっと胸に突き刺さったのであった(^^;)
 
 その友人とはもう20年以上の古い付き合いである。
高校生の時に私から告白してぶわ〜はっはと笑い飛ばされて振られてしまった相手でもある(^^;) 
その数年後に再会し、スキー三昧な日々を共にするとは思っても見なかったがその後も良き友人である。
(女として意識したことなどは全くない(^^;)) 
私がインターネット始めた時も色々教えてもらったのだった。
要するに腐れ縁と言うヤツである(爆))

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