関ヶ原宿から今須宿 1 2009年12月12日   
◆始まりは寒時雨
 中山道を歩こうと思ったのは冬の登山とロードのオフの間のスポーツ代わりに歩きも良い運動になるかもしれないと安直な考えから始めました。
長く続くはずはないと自分で思いながらの歩きですが幸いに自宅が中山道からかなり近くでポタリングでは中山道の美濃路を走っていますが古道の街道はやっぱり歩きだとの思いで始めました。
当然、京都から日本橋へ・・・なんて一般的な中山道歩きは自分には時間的にも経済的にも無理だから飛び飛びに身近の中山道を歩いて出来たらすべて歩き切れれば良いかなって思っています。

歩き初めは冬の今須宿へです。
その時に知った言葉・・・・「寒時雨・・・」

始まりは寒時雨・・・




◆伊富岐神社鳥居前から・・・
 今朝の美濃は昨日の雨で路面はビッショリで冬特有の重い天気でしたが9時前には青空が出て来たので以前から やってみたいと思っていた中山道を歩いて旅する・・・
今日の天気予報は降水確率が午前中は20パーセント・・・
雨具は持たずにウインドブレーカーを万が一に・・・
登山パンツにダクロンTシャツにフリースに軽登山靴

シライデザインの102バッグの中は草餅とキットカットの軽食で腹が減ったら21号線の食堂で飯・・・

最低でも柏原宿まで歩いて・・・出来たら醒ケ井宿まで足を伸ばして帰りはJRで関ヶ原まで戻っての予定でした




◆伊富岐神社
 街道の歩きの小旅の始まりは関ヶ原バイパスの垂井宿の外れに車を停めて中山道に面した伊富岐神社の鳥居からスタートですが小雨が降ってきました・・・
冬の関ヶ原は雨か雪の多い暗い天気です
止めようかと思いましたが天気予報を信じて歩きのスタートです

伊富岐神社は日本武尊が瀕死の重傷を負った伊吹山の伊吹の文字が伊富岐になっています



◆関ヶ原
 幸いにも天気は晴れ間が少し出ては琵琶湖からの雨雲が空を覆ったりでしたが雨は降らず・・・・
しかし関ヶ原から彦根特有の思い雪雲の何時雨や雪が降ってもおかしくない重苦しい空ですが雲の合間に青い空が見えるのもこの地方の冬独特の天気です

21号線の1本南側の人通りの少ない道を不破の関に向かいます
中山道は21号線ですが車の通行量が多過ぎて歩きに向いていません

中山道を忠実に歩くのは初めての土地でしたらそうしたでしょうが、ここは通りなれた地元です



◆黒血川
 不破の関を超え、黒血川を渡り山中村の鶯の滝を過ぎた辺りで雨が酷くなったのでJRのガード下で雨宿り・・・
雨が霧のようになったので歩き始めたら、常磐御前のお墓の手前の家の主婦が・・・

「傘無しで歩いてるんですか・・」

「晴れると思って持ってこなかったんです・・」

「ちょっと待って・・・」と傘を探してくれたのですが返しにくるのが無理なのと直ぐに晴れるだろうとの思いで・・・

「ありがとうございます・・・大丈夫ですよ」





◆今須峠
でも雨は霧雨で今須峠にさしかかると本降りになってきました
レインウエアも傘も用意していないのでウインドブレーカーを羽織っても直ぐに雨が滲みてきて困りました
すれ違った中山道ウォークらしい人はレインスーツを着て平気で歩いていますが今朝の天気予報を信じて関ヶ原の天気を気にしなかった自分の迂闊さに仕方ないとは思いながらも歩きを一旦止めて休まないと・・・・

今須宿まで早足であるいて今須小学校の前で工事をしていたので学校の手前の家で軒先をかりて雨宿りです



◆今須宿
 管路工事のガードマンさんに尋ねます・・・

「この辺りにバス停がありませんか・・」
「バスは通ってないし町営のバスが老人を病院や昼過ぎの小学生の通学ぐらいでなぁ・・・」
「天気予報は晴れと言っていたんで信じてたんですが・・・」
「ワシも雨の中で寒くて嫌だよ・・・」

参った・・・
レインウエアを持ってこなかったのが大失敗・・・
関ヶ原に戻るには距離がありすぎる・・・
柏原宿まで行くしかないが雨が・・・・



◆今須小学校前で・・・
 参った・・・
レインウエアを持ってこなかったのが大失敗・・・
関ヶ原に戻るには距離がありすぎる・・・
柏原宿まで行くしかないが雨が・・・・

雨宿りしてる軒先に家族を待っている老人がいましたが気にせずにキットカットを出して腹ごしらえをしました





◆寒時雨
その老人は・・・
「なにをしてるの・・・」と聞いてきます
「中山道を歩いてみようと来たのですが雨が降るとは思いませんでした」
「この辺りは冬はいつもこんな天気だよ・・
 寒時雨れだよ」

サムシグレ・・・ 
おもわず・・・
「良い言葉ですね・・」
「関ヶ原までは遠すぎるけれど柏原宿までは40分ぐらいだよ
 この天気だったら直に止むし、また降ってきたりだよ」





◆北陸の天気の様で・・・
10分程度で雨が霧雨になったので歩き出しました

ガードマンさんが・・・
「気をつけてな!!」
思わず・・・
「ありがとうございますっ!!」
言葉に親切心が感じられて返事も感謝が出てしまいました

寒時雨れ(サムシグレ)・・・

老人の言葉ですが関ヶ原から北国街道から日本海に続く冬特有の天気を今須宿の辺りは寒時雨というのを知りました
素敵な言葉です



◆雨の中で・・・
冷たい霧雨降る中山道の歩きの旅ですが常磐御前のお墓の前でiPodがキースのオーバーザレインボー・・・
雨の中で今須宿に入った時にマイソンング・・・

人の温かい言葉・・・

癒されます 

続く・・・

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