垂井宿 亀丸屋旅館 2011年 4月 4日   

◆亀丸屋旅館
 
 中山道垂井宿の亀丸屋旅館は岐阜県の旅籠の旅館では細久手宿とここしか在りませんが自分が思うには中山道の中でも亀丸屋旅館と大黒屋の二つの旅館が群を抜いて古いと思います
ネットで調べたら女将が高齢で健在のうちに泊まるべきだと考えていました
自分一人だと自宅から近すぎで泊まるのは難しいのでkenさんと近いうちに泊まろうと約束していましたのでGWの霊仙山登山で降りてから宿泊することにしていました
 
事前に予約を入れるに5月3日でと電話したのですがその日は垂井曳山まつりでアッサリと断られました
kenさんと再度連絡を取って霊山登山を4日に伸ばすことで亀丸屋旅館に4日の宿泊をお願いしましたが・・・
これが難儀でした
4日も垂井曳山祭りの後宴で夜中の十二時まで五月蠅く寝れないから泊めれないと・・・
「五月蠅くても構わないし祭りならぜひ見てみたい」
・・・と何度もお願いしてようやく泊めてもらう事になりました
女将は断りたかったようで仕方なく泊めるのを許したって感じでした
 
写真はkenさんの撮影で亀丸屋旅館に入ってお茶を入れてもらっているところです
何故か自分は怒られているみたいですが実は女将から頂いた垂井祭りのパンフレットを見ているところです
 
キップの良い女将さんでkenさんと自分を息子の様に扱って話をたくさんしてくださいました
中山道歩きで今度の東日本大震災の直ぐ明くる日に電話予約してきた裁判官を退職した人に・・・
「こんな時期に自分さえ良ければいいのか!!」って怒って電話を切った
3日程後にその裁判官OBが謝りながら電話で宿泊許可の願いで泊めてやった
テレビの撮影でウドが突然に亀丸屋旅館に来た時も・・・
「電話一本ぐらい事前に入れれるでしょう・・・当たり前の事が出来ないのか!!」
自分達が有名人に弱くへつらう態度と有名人ならの傲慢さも女将には関係なく人として当たり前の事が如何に自分は忘れていて漢とした人でありたいと思いました
 
夕食も朝食も食べきれないほどの家庭料理を出してくださって、もう結構と言うほどにタケノコの煮付けやスパゲッティサラダを・・・
朝には女将の手作りの山蕗と山椒の実の佃煮をkenさんと自分に土産に持たしてくださいました
 
朝食後は亀丸屋旅館の2階も見せて頂いてカギ方になった所の部屋は以前は道に飛び出していたのですが・・・何の折だったかなぁ・・・部屋を削って今の形になったそうです
鍵方の部屋には富山の薬売りの行商が宿泊したそうで、その窓ガラスは気泡が入って歪んで見えますが、そのガラスを1枚で3万円で売って欲しいと言う人もいたそうで女将が断ると・・・
「3万円で売って新しいガラスにしたほうが良いのに」と悪態をついたそうですが売らないで正解ですね
 
美濃では濃尾大震災が戦前にあったのですが根尾の断層はその名残で・・・垂井では多くの建築物が全壊したそうですが亀丸屋旅館は無事でしたが、それでも壁が傾き大黒柱が傾いています
女将に言われて初めて気が付いたのですが確かに壁や柱が曲がっています
亀丸屋旅館の階段は百日紅の一本の木が手摺に使われています
贅沢な作りは玄関のタイルもイタリア製の煉瓦で当時は1枚1枚が紙に包まれていたそうでセメントではなく石灰で煉瓦の隙間が埋められていて女将曰く花が咲かないそうです
花が咲かないってのは新しいレンガをセメントで修復した個所は月日がたって白い粉が吹いてくるのですがイタリア製の煉瓦のところは白い粉が皆無です
 
女将は岐阜の中山道で今でも営業している旅籠は亀丸屋旅館と細久手宿の大黒屋旅館だけで大黒屋旅館は営業を止めていたのですがダムの工事で労働者の旅館として営業再開をしたいう面白い話もしてくれました
生き字引のような女将さんです
 
垂井町が亀丸旅館を文化財として登録したいって事で担当の若い人が来たそうですが何も語らずモジモジシテいると・・・
きっぱり断ったそうです
文化財になると少しの補助金で釘一本打つ事さえままならぬから少しのお金よりも好きにしたいそうです
亀丸屋旅館は立派に古いままで保存されています
 
宿帳も見せてくださって昔は労働者の宿客がメインだったのですが最近はやっぱり中山道歩きの人が多いでした
 
前日の宿泊箇所が鵜沼や美濃太田で次の宿泊箇所が米原や関ヶ原と書いてあるのは確実に中山道の街道歩きの人ですね
 
朝も亀丸屋旅館の全ての部屋を見せてくださって色んな逸話を話してくださり・・・
「風呂を入れるから入って一寝入りしてから帰りなさい」
下手をしたら昼まで長居をしてしまいそうでした(笑)
 
亀丸屋旅館は垂井宿の櫛形にあり今は営業してないような古い遺産の建物ですが立派に営業しています
ありきたりの旅館やホテルに泊まるより絶対にお勧めですが礼儀をわきまえないと女将さんに怒られます
 
女将さん いつまでもご健在でいる事を願っています
 


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