酷道157号線 「落ちたら死ぬ」区間   
◆国道157号線 (その1)
 国道157号線は岐阜市から金沢市までの国道ですが国道157号線を利用して岐阜から金沢に行く人はまずいないと思います。
なぜなら酷道マニアには「酷道界の神」と崇められるほどの酷い区間があります。
その区間は岐阜県本巣市根尾能郷から福井県境の温見峠に至る道で離合不可能な最狭区間や国道の上を川が流れる「洗い越」が有って、よほど悠長な人でない限り国道157号線を利用して福井県に抜けようと思う人はいない筈です。
登山愛好家は能郷白山に登山するのに国道157号線を利用する人が多いですが2003年の災害で通行止めになって以来ずっと根尾能郷のゲートで終日通行止めになっています。
温見峠には根尾樽見から折越林道と猫峠林道を利用して国道157号線に合流して根尾黒津にでて行くことは出来ますが酷道マニアの憧れである根尾能郷から根尾黒津までの所謂「落ちたら死ぬ」区間は相変わらずゲートが固く閉ざされていて車で通行することは無理です。
2010年9月7日より工事開始で終日通行止めが始まりましたので酷道157号線の「落ちたら死ぬ」区間は相変わらず通る事が出来ませんし国土交通省は敢て通行止めのまま放置するのではないでしょうか・・・

自分の住まいは国道157号線の唯一の市でなく群の地域で岐阜県本巣郡ですが多くの酷道マニアにとっては酷道157号線は根尾村のイメージでしょうね

そんな酷道157号線の根尾能郷から根尾黒津までの「落ちたら死ぬ」区間の酷道マニアから神と崇められている区間をロードで走って車なら撮影できない写真で紹介しています。
2009年10月18日と2010年7月18日と2010年7月31日に「落ちたら死ぬ区間」をCAAD9で走った時の写真です。



◆酷道157号線はここから・・・
国道157号線の酷道157号線と言われ「落ちたら死ぬ」で有名な車の離合も不可能な箇所が多在する危険地帯の始まりが根尾能郷のこのゲートから始まります。

2008年10月18日時点でゲートの看板には崩落個所の写真看板ですが自分は崩落がどれ位の規模か想像もしてませんでしたし、この頃は酷道に興味も持っていませんでした。

工事は丸文産業が請負人になっていますね。


◆落ちたら死ぬ!!
酷道マニアには有名な「落ちたら死ぬ!!」看板で酷道マニアはこの区間を通行したいと願っていますが残念ながら2003年以前は通れたのですが現在は通行止めで県道255号線周りで温見峠を通りますが根尾能郷のこの看板を見て写真撮影して満足されています。
ご本尊のようなありがたい存在です。

看板は自分の町内である本巣郡の北方警察が設置してます。
この区間の管轄警察は北方警察なんですね。

北方警察はこの看板が全国的に有名だと知ってるのでしょうか(笑)



◆不思議な石仏
根尾能郷のゲートに始めてきたのはキャノンデールCAAD9でトレーニングで走って来たのが最初でゲートで記念撮影をしていてゲートの右手の岩に・・・ちょうど上の写真の「落ちたら死ぬ」看板の左手の岩に不思議な石仏が祀ってあるのに気づきました。
最初はこの先で落ちて死んだ人を祀ってあるのかと思いました。

顔が三つあり頭には獣がいて怒った顔の不思議な仏様で興味が一気に湧き、この仏様を調べてみました。




◆馬頭観音
馬頭観音・・・

頭の獣は最初は狼だと思いましたが・・・
お顔が三つあり其々がお怒りのお顔で左手に車輪、右手に鉈を持った観音様は直ぐに馬頭観音様と分かりました。

馬頭観音様は昔の往来の三叉路に祀られて荷役で死んだ馬などを祀って馬頭観音様を祀ったとあります。

自分はこの馬頭観音様を知ってから美濃で多くの馬頭観音様をカメラに収めてブログにアップしていますが、この根尾能郷の馬頭観音様が一番素晴らしい馬頭観音だと思っています。

根尾能郷から根尾黒津までの倉見七里の無事の通行を昔の人が祈って乾隆したのではないでしょうか。



◆始まりから最狭区間
根尾のゲートを越えて直ぐに車の離合が難しい最狭区間が始まりますが、この始まりの最狭区間は距離は短く直ぐに終わりますが林道の林の中で暗い感じがします。
2010年7月31日に小雨の中で走った時は道が川になって・・・
この場合の川は洗い越ではなく上から水が流れてその量が多いので川のようになっていました。
更に枯葉が多くロードのタイヤは直ぐにスリップしました。
落石も有って雨上がりや雨の中での走りは危険ですね。

インフェルノメットの大きさと比べてください・・・



◆路肩注意
路肩が崩れそうで舗装はひび割れがして路肩を大型車が通ったら間違いなく崩れて根尾川に落ちてしまいます。
この辺りで崖の高さは間違いなく30m以上は有ります。
確実に落ちたら死ぬ・・・ですね。

だけどカラーコーンで路肩を規制してますがゲートを閉めて終日規制ですので誰のための路肩注意の看板でしょう??
工事関係者が通行するための注意喚起の看板でしょうか・・・
新しい看板で路肩補修工事をするのでしょうか・・・



◆少し大きな橋
1キロほどで普通の林道らしい舗装の綺麗な区間に出ますが、これが酷道とは思えません。

ガードレールはGr-Ck-2phかな・・・(笑)
白のガードレールで塗装の落ち具合からして20年以上は経過してるのは間違いありませんが飛騨の豪雪地帯で見るガードレールのように雪の重みでお辞儀したりハンドレールが曲がってるのは無いですね。
豪雪地帯にしては不思議です・・・

もちろん根尾川に注ぎ込む支流に架かっている橋で温見峠までこれ以上大きな橋は有りません。



◆まだ普通の林道
橋を渡って登りになりますが、まだ普通の林道で酷道らしさの爪を隠していますが直ぐに牙を剥きます。

写真は2009年10月18日
この先の右手の林の中に畑があり子供と大人が家族で畑作業に来ていました。
スーパーカブで来ていましたのでゲートの右手を超えてですね。
いよいよ上りがきつくなってきます。




◆本領発揮
酷道157号線の本領がいよいよ発揮されてる区間が始まり、これから距離にしておおよそ4キロ以上は気の抜ける区間がありません。
路肩は絶壁の崖・・・
もちろんガードレールは無く、デェリネーターのポールにロープが結わえてあるだけ・・・
こんなのは人さえも守ることは出来なく、デェリネーターが曲がって崖側に出ていてロープも道から外に出ています・・・
左手の山はロックネットが掛かってますがロックネットってあまり信頼性は無いと思ったほうが良いです。



◆人気のない谷
2010年7月31日
この日は雨の中をCAAD9で走りましたが人っ子一人いない奥深い山の中で一番に嫌だったのは熊が出る怖さよりも不気味な気配です・・・
始めて通るなら、そんな気もしないで楽しみで走れるでしょうが一度走っているだけにお地蔵様の多さが不気味です。
お地蔵様の云われを知ってる人なら何故に不気味を感じるか分かると思います・・・
お地蔵様は現世の苦しみをあの世でも苦しまない様にとしてくれる仏様です。
という事は・・・ なんです・・・



◆倉見峠
ネットで調べてみるとこの地点を倉見峠と書いてあるサイトがありましたが・・・
地点的にはここまで上りでカーブを曲がると下りになってお地蔵様もあるから所謂峠と言っても良いかと思いますが問題はお地蔵様です。

峠なら越前と美濃との街道ですから昭和や平成のお地蔵様が祀ってあるはずがありません。
それに、この地点では根尾に近すぎて超える山もまだ多いのでこの地点が倉見峠とは思えません・・・・



◆昭和のお地蔵様
上の写真の右手に祀られているお地蔵様ですが年号が昭和64年になっています・・・
右手に戒名らしい名前が書いてあります。

初めてこの地点に来た時に倉見峠と思って喜んでお地蔵様を撮影していて昭和の年号を見たときに倉見峠ではなく「落ちたら死ぬ」区間で落ちて亡くなられた方を祀ったお地蔵様だと分かりました。

合掌です・・・

根尾黒津までお地蔵様は多く祀ってあります・・・



◆これでも国道か!!
雨にぬれた路面で狭く離合は出来ずカーブミラーもなくガードレールがお飾りに13mだけ取り付けてあります。
昔、土木業界に居たので・・・
と言っても現在も土木関係ですが・・・(´∀`o)

ガードレールが機能するには最低でも当たる区間の前に20m以上は余長さとして必要ですし、背面土圧でガードレールが機能するので写真の崖の所では全く機能しません。
お飾りです・・・
なぜ崖全部に取り付けないか・・・
通行量の少なさで問題にもならない地点ですからでしょうね・・・



◆倉見峠と思った
ネットではこの地点が倉見峠と書かれているサイトが非常に沢山あります。
その影響で自分もこの地点が倉見峠と思っていました。
ただ一つのサイトだけが「落ちて死んだ」地点で合掌されて崖側を覗き込んでいる写真を載せていました。
此処は上りの下りの変化点ではありません。
峠に地蔵様が祀ったあるだけで、この地点を峠と書いてあるのはいかにも安直です。
なぜなら・・・



◆平成のお地蔵様
上の写真の祠のお地蔵様は平成二年五月二十三日と書かれています。
金の光背を背負われています。
先に書いた通り越前と美濃を結ぶ街道の峠ならお地蔵様が平成のはずがありません。
合掌しました・・・

本当の倉見峠はこの地点ではないと思います。
地図で調べても倉見峠は分かりませんでした。

倉見峠はどの地点でしょうか・・・


◆連続の落ちたら死ぬ区間
まだまだ息の抜けない危険地帯の連続ですがロードの自分には対向車も来ないし崖側に寄らなければ狭いと感じることもないのですがカーブで最狭区間は辛いし、今年の7月31日の雨の中の走りでは寒さと不気味さで走っていても嫌な区間でした・・・

路肩のデェリネーターは視線誘導の役目さえできず道は曲がりくねって狭くカーブミラーもないので対向車が来るのも分かりませんね。

こんな道はずっと通行止めにした方が管理者には楽でしょうね。
管理者は岐阜土木事務所 道路維持課・・・


◆唯一のロックシェルター
根尾能郷から温見峠までで唯一のロックシェルターでかなり大がかりな建造物です。
ロックシェルターの上の岩場を見るとロックネットやモルタル吹付で落石を防ぐのは無理だからでしょうね・・・
ロックシェルターの上に土砂が堆積して草木がたくさん生えていて不気味な感じがします。
国道として開通していた時点では役に立ったのでしょうが・・・

ネットで見て是非通ってみたいと思った建造物です


◆ロックシェルター
このロックシェルターを載せているサイトを見たときに温見峠までは距離がかなり有ることを知りました。
根尾能郷から温見峠まで距離はそれ程なくロードで簡単に行けると高を括っていました。

能郷白山に根尾能郷から登山は何度もしていたので温見峠からの登山の時間の短さで温見峠を馬鹿にしていましたが温見峠が能郷白山に近いという事は温見峠の標高も高いという事ですね。


◆落石注意
落石注意の看板がひしゃげています。
「危険 道路狭し 運転注意」
看板が蔦に覆われて隠れていますが、こんな所をわき見したり注意散漫で走る人はいないでしょうね(´∀`o)
写真でもわかると思いますが右手の路肩はデェリネーターが崖側に傾いてます。
路肩の目印にはなりますが防護柵は全くありません。
この辺りが崖で一番高い所で根尾川までの高さは50m以上は確実にあると思います。
「落ちたら見つからない」って看板が必要でしょうね


◆先にお地蔵様が・・・
先のカーブにお地蔵様が祀られていますがカーブという場所に祀られているのが嫌な感じです・・・

ガードレールは直線箇所に付けられていて曲線箇所に設置されていないのは何故なんでしょうね・・・


◆親子地蔵様
この祠には女性のお地蔵様が子供を抱えて、隣にはもう一つのお地蔵様が・・・
つごう三人のお地蔵様が祀られています。

山の峠のお地蔵様はお一人で戒名はなしです。
昔の街道に祀られているのは山手に祠でなく岩をくり貫いて不道明様や馬頭観音様を祀ってあることが多いのですが・・・

根尾能郷から根尾黒津の区間のお地蔵様の多さが気になります。
もちろん合掌してきました。


◆車の気配が・・・
根尾能郷よりも道路が綺麗になって落石も少なくなり枯葉も少なく路肩には工事材料が置かれている個所が何か所かありました。
工事作業者の車も見かけるようになりましたが通行止め区間にはまだ到着していません。

道は相変わらず離合できない最狭区間の連続・・・
酷道157号線の「落ちたら死ぬ」区間はこの先どれほど続くのでしょうか・・・

かなり長くなりましたので続く にします・・・・

続く